声を宿らせ

溜息は夜の沼の中 雪を溶かし 月を宿らせ
映し出す光 青白く やさしく降り積もれ

溜息は今日も沈みゆく 石を喰らい 痛みに任せ
わき腹を抱え落ちてゆく 盛りは過ぎるまま

汚れた土白く染めて 怠惰と共に埋もれ
やがて潜む熱を帯び 力強く弾け

恐れを拭い いつか人は仰ぎ見る
竦んだ足で 空気を吸って 震える声で ほら歌え

たぎる情熱 一つ声を宿らせて
無機なる光 祈りを纏い 大きな声で 今歌え

 

君の残した 空っぽの世界も
あの日の溜息さえも ここにはない

 

恐れの果ては 笑い声を讃えよう
足を踏み出し 深い呼吸で しゃがれた声で ほら叫べ

たぎる情熱 君は声を宿らせて
思いつくまま 前を見据えて 力の限り 今叫べ

 

溜息が一つ沈んでく 黒い沼に闇を孕ませ
透き通る水が流れ込み 淀みは清らかに

 

 

作詩/小平一明 作曲/笹沼郁夫

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